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段ボールから発生する微量の腐食系ガス成分を評価できます

基板や電子機器などの精密機器材料の腐食・変色によるトラブル原因として、硫黄系ガス成分が関与する場合があると知られています。しかし、直接ガスを分析しても硫黄系成分の検出は難しく、高感度に分析できる手法が必要でした。そこで当社では、試料量、前処理、分析装置を最適化することで、微量の硫黄系成分の評価ができるようになりました。本手法では、通常の10倍以上の試料(数10~数100g)をサンプルバッグに入れて加熱し、発生したガスを濃縮捕集するガス濃縮法を用います〔図1 左側〕。
また、ガスクロマトグラフィー/質量分析計(GC/MS)にFPD検出器を組み合わせることで、硫黄系成分を高感度かつ選択的に検出できるようになりました〔図1 右側〕。

図1 ガス濃縮法およびGC/MS/FPDの概略

硫黄系成分のGC/MS/FPD分析

腐食が発生した製品の梱包材である段ボール、緩衝材、ポリ袋について、GC/MS/FPDを用いて測定した結果を示します〔図2〕 。
硫黄を含む成分のみ検出するFPDを用いた分析結果より、段ボールからのみ複数の硫黄系成分の発生が示唆されました〔図2下段〕 。
更に、MSで成分の構造解析をした結果、腐食に寄与する成分として硫化カルボニルが確認されました。また、それ以外にも二硫化炭素、ジメチルジスルフィドが発生していることがわかりました。
このように、ガス濃縮法とGC/MS/FPDの組み合わせにより、従来では検出できなかった微量の硫黄系成の検出・定性が可能になりました。

図2 梱包材のGC/MS/FPD分析結果(左:段ボール、中:緩衝材、右:ポリ袋)

その他の応用

窒素・リン系成分を高感度に検出できる検出器(NPD)との組み合わせも可能です。

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