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フッ素系ポリマー表面の極性基(水酸基、カルボン酸基)がわかります

製品の濡れ性や接着性に寄与する表面の極性基(水酸基、カルボン酸基)は、化学修飾を行った後にX線光電子分光(XPS)または飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)により評価が可能ですが、従来の化学修飾法ではフッ素系のラベル化試薬を用いていたため、フッ素を含む材料に対しては評価が難しいケースがありました。
今回、塩素系のラベル化試薬を用いた化学修飾法を新たに開発し、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系ポリマーに対しても表面の極性基量を調べることが可能となりました。

図1 水酸基の化学修飾法(ポリビニルアルコールの例)
図2 カルボン酸基の化学修飾法(ポリアクリル酸の例)

含フッ素アクリルポリマーのコロナ処理効果の調査

含フッ素アクリルポリマーシートにコロナ処理をおこなった試料について、新規化学修飾とXPS分析により表面官能基について調べました。
その結果、コロナ処理後ではそれぞれのラベル化試薬由来の塩素(Cl)が確認され、表面水酸基やカルボン酸基が生成していることがわかりました。本手法を用いることで、コロナ処理以外にもさまざまな表面処理や改質等で生じる表面水酸基やカルボン酸基量を試料間比較することができます。
※修飾反応率は材料によって異なるため、主成分組成が類似な試料間での相対比較による評価です

図3 水酸基修飾後のXPS分析結果
図4 カルボン酸基修飾後のXPS分析結果

その他の応用

  • フッ素系添加剤を含むポリマー表面の極性基評価
  • 含フッ素ポリイミドのカルボン酸基量評価  など

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