和周波発生分光法(SFG)を用いて表面/界面分子構造を分析します
粘接着界面を剥がさずにそのまま分子構造評価が可能である和周波発生分光法による分析を開始しました。和周波発生分光法(Sum Frequency Generation Vibrational Spectroscopy; 以下SFG) は、可視光と赤外光を空間/時間的に同時照射し、二次の非線形光学現象である和周波光を発生させ検出する振動分光法です。SFGでは、界面選択性が高く、界面の分子配向を評価可能であり、さらに、可視光と赤外光が到達可能な界面であれば、貼り合わせた「そのまま」の状態で界面の評価が可能となっています。以下、SFGの概要を紹介します。
特徴・仕様
図1に装置外観、表1に仕様を示しました。また、SFGの特徴を以下に示します。
- 表面・界面の分子(官能基)配向を評価
- 非破壊・非接触・大気圧下で評価
- 取得データは赤外スペクトルに類似
- 水中・加熱などin-situ/動的計測も可能
応用事例
- 高分子材料の表面および貼り合わせ界面の配向挙動の把握
- 貼り合わせた状態での添加成分や水の挙動把握
- 加熱/加湿後の界面状態の評価
試料について
- SFG測定は反射測定のため、試料は平滑であることが求められます
- (一般的なガラスやフィルム並の平滑性が必要)
- 可視光と赤外光の両方に対して損傷をうけない試料であることが必要です
- 界面評価においては、可視光と赤外光の両方が目的界面に到達することで必須です