接着剤の硬化度合の評価が可能です
航空機や次世代自動車の軽量化のために複合材料が適用されるようになり、特に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)と異種材料であるアルミニウム合金やチタン合金などの接合技術が課題となっています。従来の金属構造を接合するファスナ接合に替わる方法として高性能接着接合が用いられるようになり、その接着剤強度は重要なファクターです。その強度は硬化状態に起因することから、ナノインデンターを用いて硬化度合を物性値(硬さ、弾性率、塑性変形量)に置き換え間接的に評価した事例をご紹介します。
CFRP/接着剤/Al板の接着剤の硬化度合評価
CFRPとAl板を2液混合タイプの室温硬化接着剤で接合したところAl板と接着剤間で一部剥離が認められました〔図1〕。そこで正常部と剥離部の接着剤についてナノインデンター測定を行い、硬さ、弾性率、塑性変形量を調べました〔図3,4〕。その結果、剥離部では正常部に比べ硬さや弾性率が低く、塑性変形量はやや大きいことから、剥離部は硬化不良と推察されました。
その他の応用
- 劣化評価、めっき硬度、ヤング率
対象試料
- 樹脂、接着剤、フィルム、めっき膜