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高分子材料の結晶化度がわかります

高分子の結晶化度は、材料の熱・機械特性などに大きく影響します。このため、高分子の結晶化度を把握することは製品や材料の開発・改善を行う上で非常に重要です。X線回折(XRD)は材料の内部構造を非破壊で測定・解析でき、高分子材料の結晶化度の算出も広く行われています。ここでは、ポリエチレンの結晶化度について調べた事例を紹介します。

各種ポリエチレンの結晶化度

HDPE(高密度ポリエチレン)は分子鎖中に分岐がほとんど存在しないため、分子鎖が整列しやすく、結晶化度が高くなります。一方、LDPE(低密度ポリエチレン)では分子鎖中に分岐が多く存在するため、分子鎖が整列し難く、結晶化度は低くなります。X線回折において、結晶成分の回折はシャープなピークとして観測され、非晶(アモルファス)成分の回折はブロードなピークとして観測されます。図1に示すように、高分子材料は結晶(赤)と非晶(アモルファス、青)の両者が混在しているため、これらのピークをカーブフィッティングにより分離します。結晶化度は下式を適用することで算出され、図1の場合の各々の結晶化度は、HDPEは59.7%、LDPEは41.7%と算出されました。

図1 各種ポリエチレンの結晶化度解析結果
(上)HDPE 結晶化度59.7% HDPE模式図:緑色が結晶
(下)LDPE 結晶化度41.7% LDPE模式図:緑色が結晶

その他の応用

  • 微小部の結晶化度測定、マッピング
  • 結晶化度と結晶子径(単結晶サイズ)を組み合わせた結晶性の総合評価

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