複合材料(アルミニウム蒸着層)の観察が行えます
材料の内部組織,内部フィラーの分散性,異常構造などを確認するには、走査型電子顕微鏡(SEM)による材料の断面形態評価が有効となります。断面作製には複数の方法がありますが、試料によっては塑性変形が生じ、本来とは異なる形態となってしまう可能性があります。一方、Arイオンビーム照射により断面作製を行うイオンポリッシング法は、塑性変形の無い良好な断面作製が可能であり、材料中の薄層を明瞭に観察する事ができます。
アルミニウム蒸着フィルムの断面SEM観察
アルミニウム蒸着積層フィルムの断面SEM像を下記に示します。ミクロトーム法では、切削時の応力により、内部フィラー粒子の脱落や引きずり、蒸着層には亀裂が生じていることがわかりました〔図1〕。イオンポリッシング法では、塑性変形が無く、インキ層内部に大きさ数10nm~500nmのフィラー粒子が存在し、インキ層とPP層の界面に約50nmの蒸着アルミ層が認められました〔図2〕。
その他の応用
有機・無機複合材料、多層フィルムなど。