熱で変形してしまう材料の断面形態評価ができます(有機材編)
走査型電子顕微鏡(SEM)や光学顕微鏡による材料の断面形態評価は、内部組織、界面の状態、フィラーの分散性など、研究開発や商品開発の際に生じる様々な課題に対して有用な情報を与えます。こうした評価に際して、Arイオンビーム照射により断面加工を行うイオンポリッシング法は、塑性変形のない良好な試料断面が得られることから多くの実績を残してきました。しかし、イオンビーム照射によって生じる発熱が避けられないため、熱変形しやすい有機材料(特に粘着剤、ゴム、半硬化樹脂など)に適用することは極めて困難でした。こうした中、弊社では「 -150℃~室温の冷却機能」を持つ新規のイオンポリッシング法を採用することで、熱変形しやすい有機材料においても本来の構造を保持したまま形態評価を行うことが可能になりました。
導電性銅箔テープの断面観察
導電性銅箔テープ(被着体:Al)について2条件(常温および冷却)でのイオンポリッシング加工を行い、それぞれSEM観察しました。粘着テープの接着力や剥離時の破壊モードの予測の手掛かりとなる粘着層やその界面の状態に注目すると、「常温加工」ではイオンビームによる熱の影響で形態異常や剥離が発生していました〔図1A〕。これに対して「冷却加工」では粘着層が平滑に加工され、粘着層/Cu基材界面の状態、導電性粒子の分布状態およびAl被着体との接着界面の状態を正確に捉えることができました〔図1B〕。このように、冷却機能の付加により熱変形する有機材の形態評価が可能になりました。

その他の応用
- ゴム、半硬化樹脂、金属中のグレイン、異種金属接合部の合金や相構造
高分子分析の中で、熱変形しやすい有機材料を冷却条件下でイオンポリッシングを施し、SEMを用いて断面形態評価を行った事例をご紹介しました。
熱変形しやすい材料(無機材料)の観察には、次のような事例もございます。