LCの不明ピークの詳細構造がわかります
原材料や製品の純度・不純物管理にLC分析を利用することが多いのですが、LCで検出された不明成分を詳細に解析するためにはLC/NMR法が有用です。LC/NMRは、LC(液体クロマトグラフィー)の検出器にNMR(核磁気共鳴装置)を利用した分析装置で、LCで分離したピーク成分を直接NMR測定し、その分子構造情報を取得することができます。ここでは一例として、PETオリゴマー中のLC不明ピークの詳細な構造をLC/NMRで分析した事例を紹介します。
PETオリゴマーの構造解析
PET中のオリゴマー成分の構造を調べるため、PETのメタノール抽出物をLCで分析した際に、図1に★印で示す不明ピークが検出されました。このうちLC保持時間(R.T.)= 12.05min(Mw= 1,004)のLC/NMR測定を行った結果、図2に示すように、PET環状5量体のエチレングリコールユニットの一つがジエチレングリコールユニットとなった化合物と判明しました。このように、LC/NMRは原材料中の有機不純物や耐候性試験後の劣化生成物、また、各種製品中の微量添加剤等の分子構造解析に有用です。
その他の応用
- 耐候性試験後の劣化生成物の構造解析
- 製品中の微量成分及び不純物分析(医薬品、試薬、接着剤、フィルム等)