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有機・無機複合材料の断面観察ができます

有機・無機複合材料を加工し、断面構造を観察することができます。ここで用いる断面イオンミリング法は、イオン銃から放出されたイオンビームを試料と衝突させ、試料の原子を弾き飛ばすこと(スパッタリング現象)で試料を加工する方法であり、各種材料の断面構造を観察するための有効な前処理方法です。一方、イオンビームを用いて加工するため、ポリマー等の熱ダメージに弱い材料の断面加工には不向きです。断面イオンミリング法に染色を組み合せることにより、ポリマー等の有機系材料の熱ダメージを軽減させ、有機・無機複合材料の断面加工が可能になります。

SiO2フィラー含有粘着テープの断面SEM観察

染色+ミクロトーム切断法では、 SiO2フィラーの脱落が発生しています〔図1,左〕。また、未染色+断面イオンミリング法では、加工時の熱ダメージによるクラックや段差が発生しています〔図1,右〕。一方、染色+断面イオンミリング法では、粘着剤中のSiO2フィラーの分散状態が明瞭に観察できます〔図2〕。

図1 SiO2フィラー含有粘着テープのSEM像 (左:染色+ミクロトーム切断法 右:未染色+断面イオンミリング法)
図2 SiO2フィラー含有粘着テープのSEM像 (左:染色+断面イオンミリング法 右:左図の拡大)

その他の応用

  • 無機材料を含む粘着テープ、多層フィルムなどの高分子材料

高分子分析の中で、断面加工方法の違い(染色+ミクロトーム切断法、未染色+断面イオンミリング法、染色+断面イオンミリング法)で断面SEM像を比較した事例をご紹介しました。
FE-SEM-XMAを用いて、ミクロンオーダーから数10μmの領域の形態を視覚化し、かつ元素の分布状態を把握した事例もございます。

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