有機酸の定性・定量ができます
有機材料に酸成分が含まれていると、金属を腐食・変色させることがあります。そのため、イオンクロマトグラフ(IC)を用いて、塩化物イオン(Cl-)や硫酸イオン(SO42-)などの無機イオンの評価はよく行なわれていますが、有機酸については溶出時間が類似しているため、評価が困難でした。これを解決するために、ICの検出器として質量分析計(MS)を用いることが有効で、カラム分離での保持時間とMSでの質量情報から有機酸を定性・定量することが可能となります。
フィルム中の有機酸イオンの定性分析


フィルムの正常品と劣化品について、純水加熱抽出液のIC分析結果を図1に、IC/MS分析結果を図2に示します。その結果、IC/MSにより、ICでは定性できない有機酸成分として、F-とCl-の間の有機酸5成分、SO42-付近の有機酸4成分が含まれていることがわかりました。さらに、ピーク面積より、試料間での含有量の違いを評価することもできます。
このようにIC/MSでは有機酸を高感度で定性・定量することが可能です(有機酸の検出感度:0.1~数μg/ml)。
その他の応用
- メッキ液や環境水中の有機酸の定性・定量分析
- オイルの劣化により生成した有機酸の分析