光硬化反応をリアルタイムで測定できます
UV材料について、UV光を照射しながらその硬化に伴う発熱反応をDSCで検出するPCA(Photo-Calorimetric Analysis)により、光硬化反応をリアルタイムに追跡することが可能です。ここでは、UV反応型粘着剤の測定事例を紹介します。
UV反応型粘着剤のPCA測定
UV反応型粘着剤にUV光を照射すると、照射開始と同時に発熱ピークが確認され、硬化反応が確認されました。なお、UV照射後の試料にUV光を再照射しても、発熱ピークは確認されないことから、今回のUV反応型粘着剤においては、1回目のUV照射により反応が終了していることが確認されました〔図1〕。次に、UV照射強度を5~100mW/cm2に変更した際の発熱挙動を比較しました〔図2〕。UV照射強度の増加に伴い、発熱ピークはその高さが高くなり、短時間側へシフトする傾向が確認されました。なお、発熱量を算出したところ、この粘着剤では照射強度により反応熱量は殆ど変化しないことがわかりました。さらに、時間に対する反応率をプロットすると〔図3〕、照射強度の増加に伴い、反応速度が速くなることがわかりました。このように、PCA測定では、UV照射によるUV材料の硬化反応をリアルタイムに追跡することが可能です。
対象試料
- UVコーティング塗料
- UV印刷用インキ
- UV硬化型接着剤
- UV反応型保護フィルム
- 液晶モジュール部材 など