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樹脂の硬化反応過程がリアルタイムでわかります(その2)

エポキシ樹脂について、その硬化過程における各官能基の変化を近赤外分光法を用いて追跡することが可能です。一般に、アミン系硬化剤を用いたエポキシ樹脂の反応においては、第1級アミンがエポキシ基と反応し、第2級アミン,第3級アミンを生成することで、 3次元的に硬化が進んでいきます。同時に、生成した水酸基とエポキシ基が一部反応し、エーテル結合が生成することが知られています。ここでは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と脂肪族系アミンについて、各官能基の時間変化を追跡し、その硬化反応を評価した事例を紹介します。

ビスフェノールA型エポキシ樹脂と脂肪族系アミンの硬化反応評価

図1にエポキシ樹脂-脂肪族アミン硬化剤における硬化過程の近赤外スペクトル(7500-4300cm-1)を示します。硬化反応が進むに従って、4500cm-1付近のエポキシ樹脂由来のバンドや4920cm-1付近の第1級アミン由来のバンドが減少し、7000cm-1付近の水酸基由来のバンドが増加していることが判ります。また、6500cm-1付近のバンドは、NH2(第1級アミン)由来及びNH(第2級アミン)由来のバンドですが、お互いに重なりあっており、分離する必要があります。ここでは、質量バランスをもとに計算によってこれらを分離しました。図2に硬化過程における各官能基の濃度変化を示します。各時間による各官能基の濃度を求めることにより、反応過程を詳細に考察することができます。

図1 エポキシ樹脂-脂肪族アミン硬化剤における硬化過程の近赤外スペクトル
図2 硬化過程における各官能基の濃度変化

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