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UV硬化型樹脂の構造を詳細に解析できます

複雑な組成を有する共重合オリゴマーの構造解析手法として、MALDI-TOF MS(マトリックス支援レーザー脱離イオン化-飛行時間型質量分析法)は有効な手法です 。LC/MSで用いられるESIやAPCIなどのイオン化に比べて、試料の制約が少なく、簡便に測定できます。また、得られるイオンの精密質量より、分子構造(組成式)を推定することも可能です。ここでは、UV硬化型樹脂に用いられるアクリルウレタンオリゴマーを分析した事例を紹介します。

UV硬化型樹脂用アクリルウレタンオリゴマーの構造解析

アクリルウレタンオリゴマーのMALDI-TOF MSスペクトル〔図1〕からは、 分布を有する3つのピーク郡が検出されました。各ピークの間隔は72uであることから、ピーク郡の分布は、テトラメチレングリコール(TMG)の繰返し数(図2におけるnの値)の違いによるものであることがわかります。また、m/z 1410.0のピークは、その精密質量より、2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)およびポリテトラメチレングリコール(PTMG)で構成されたアクリルウレタンオリゴマー〔図2〕に由来するものであり、TMGの繰返し数nは9であることがわかりました。他のピークについても同様に、その構造を把握することが可能です。

図1 アクリルウレタンオリゴマーのMALDI-TOF MSスペクトル(ポジティブイオンモード)
図2 アクリルウレタンオリゴマーを構成するモノマー単位の構造

その他の応用

  • 界面活性剤の(末端構造を含む)分子構造解析
  • 染料・顔料の分子量測定

対象試料

  • 分子量10,000以下の不揮発性有機,高分子化合物

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