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機能発現のメカニズムをリアルにとらえます

異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film ; ACF)は、高分子フィルム中に導電体を分散させた接続材料です。ACF接合は微細粒子と端子とを直接的に接触させることで導通が実現するため、断面から粒子と端子との接触の状態を形態的に捉えることが大変重要となります。

ACF接合部の断面評価

ACFを介した基板端子間の接合部の模式図を図1に、SEM像とそれに対応する元素マッピング像を図2に示します。SEM像において、下側の端子には銅の表面に約5μm厚のニッケル層と約0.1μm厚の金層が、上側の端子には銅の表面に約0.7μm厚のスズ層が形成されていることがわかります。そして、上下の基板端子間に約2μm径のニッケル粒子が挟み込まれていることが明瞭に確認できます。また、下側の基板のニッケル層にはNi以外にPが存在していることから、無電解ニッケル層であることが解明できます。
この様にFE-SEM-XMAは、ミクロンオーダーから数10μmの領域の形態を視覚化し、なおかつ元素の分布状態まで把握するのに有効な手段であると言えます。

図1 ACFを介した端子間接合部の模式図
図2 断面SEM像および元素マッピング像

高分子分析の中で、FE-SEM-XMAを用いて、異方性導電フィルム(ACF)接合部断面評価と元素マッピングを調べた事例をご紹介しました。
冷却FIB-SEMを用いて、これまで困難であった液体やゲルの内部構造を正確に把握した事例もございます。

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