透過型電子顕微鏡
Transmission Electron Microscopy(TEM)
概要
透過電子顕微鏡は、薄膜試料に電子線を透過させ、その際に試料中の原子により散乱・回折された電子を透過電子像として観察する装置です。電子線は試料(密度や結晶状態)により散乱・回折が異なることでコントラストが得られ、試料の内部構造を観察することができます〔図1〕。
特徴
- 高分子材料の形態観察(モルフォロジー観察)に有効。
- 電子染色により、組成を反映したコントラストとしてTEM観察が可能。
- 薄膜の厚み測定(下塗り層の厚みなど)が可能。
測定対象試料とサイズ
材料全般(ポリマー・無機・複合などの各種材料)
(高真空下において変形・変質するものやガスを放出するものは観察に向きません。)
試料を電子線が透過可能な厚さ(約0.1µm)に加工できることが必須。
分析事例一覧
- 伸びやすさが異なるポリエチレンフィルムの構造評価
- 液状サンプルをありのままの状態でTEM観察することができます
- トナーの形態・内部構造の観察が可能です
- 高分子材料の内部構造観察が可能です
- ナノメートルオーダーの内部形態を三次元で観察できます
- ナノメートルオーダーの内部形態観察が可能です
- 電子線の熱ダメージを抑制した構造観察が可能です
- 電子線ダメージを抑制した構造観察が可能です
- 極薄膜中の有機成分の深さ方向分布を調べることができます
- ナノメートルオーダーの微細形状を染色処理で可視化します
- 製品の機能発現部位を可視化します
- 金属蒸着膜の結晶状態を可視化できます
- 複合材料の微小異常部を明瞭に可視化します