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充填剤含有ポリ塩化ビニルの分離技術と分析手法

今日、製造・販売されているフィルムは数多くの種類があり、その使用目的や用途に応じて様々な添加剤が配合されています。これら添加剤や充填剤を分析するには、溶媒抽出や溶解などの目的にあった前処理を行うことが必要不可欠です。このようにフィルム中の添加剤や充填剤を詳細に分析するには、個々の成分別に分離することが極めて重要となります。今回は数多いフィルムの中でも、工業生産開始が1935年という古い歴史を持ち、最も広範な用途に使用されているポリ塩化ビニル(PVC)中の添加剤分析について紹介します。

  1. 前処理
  2. 分析
  3. 総合解析

前処理

低分子可塑剤、紫外線吸収剤を分離します

  1. ヘキサン抽出 可溶分

高分子可塑剤を分離します

  1. ヘキサン抽出 不溶分
  2. クロロホルム抽出 可溶分

安定剤を分離します

  1. ヘキサン抽出 不溶分
  2. クロロホルム抽出 不溶分
  3. THF溶解+遠心分離 上澄液
  4. メタノール再沈殿 可溶分

もしくは

  1. ヘキサン抽出 不溶分
  2. クロロホルム抽出 不溶分
  3. THF溶解+遠心分離 沈殿物
  4. メタノール抽出 可溶分

主成分のPVCを分離します

  1. ヘキサン抽出 不溶分
  2. クロロホルム抽出 不溶分
  3. THF溶解+遠心分離 上澄液
  4. メタノール再沈殿 沈殿物

充填剤を分離します

  1. ヘキサン抽出 不溶分
  2. クロロホルム抽出 不溶分
  3. THF溶解+遠心分離 沈殿物
  4. メタノール抽出 不溶分

分析

分離した低分子可塑剤、紫外線吸収剤を分析し同定します

  • フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR
  • フーリエ変換核磁気共鳴装置(FT-NMR
  • ガスクロマトグラフ(GC
  • ガスクロマトグラフ/質量分析計(GC/MS
  • 高速液体クロマトグラフ(HPLC
  • 液体クロマトグラフ/質量分析計(LC/MS

高分子可塑剤を分析し同定します

  • フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR
  • フーリエ変換核磁気共鳴装置(FT-NMR
  • マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析装置(MALDI-TOF MS
  • 秤量とNMR組成比

安定剤を分析し同定します

  • フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR
  • 電界放射型走査電子顕微鏡-X線マイクロアナライザ(SEM-XMA)
  • 秤量

主成分のPVCを分析し同定します

  • フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR
  • ゲル浸透クロマトグラフ(GPC

充填剤を分析し同定します

  • フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR
  • 電界放射型走査電子顕微鏡-X線マイクロアナライザ(SEM-XMA)
  • X線回折装置(XRD
  • 熱重量/示差熱分析装置(TG/DTA)(試料全体の灰分確認)

総合解析

各種分析結果を総合して、高分子材料中の添加剤について解析します。

※上記料金は一例です。試料により分析手法、料金が異なる場合がありますので、詳細につきましてはお問合せください。

お問い合わせ・ご相談

高分子分析、形態観察、表面分析、組成分析など、評価・分析に関するご質問・ご依頼はお気軽にお問い合わせください。

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